伸縮継手の種類
:伸縮継手の種類
❶自由型
─ 単 式─
- ・伸縮継手の基本形です。この基本形は、内圧による静的推力が固定点に負荷されます。
- ・高い内圧がかかる場合は、ベローズの変形を防止するために補強リングを使用します。 補強リングは、上記の3形状のものがあります。
❷自由型
─ 複 式─
- ・軸直角方向変位が大きい場合は、複式を使用します。
- ・高い内圧がかかる場合は、ベローズの変形を防止するために補強リングを使用します。
❸外圧型
─ 単 式─
- ・外筒内面とベローズの外周との空間に流体の内圧が負荷される構造が特徴です。
- ・高圧においてもベローズの座屈(バックリング)の危険性は有りません。
- ・外筒にドレン抜きを設けることにより、容易に液溜りを除去することが可能となります。
❹外圧型
─ 複 式─
- ・外筒内面とベローズの外周との空間に流体の内圧が負荷される構造が特徴です。
- ・高圧においてもベローズの座屈(バックリング)の危険性は有りません。
- ・外筒にドレン抜きを設けることにより、容易に液溜りを除去することが可能となります。
❺ヒンジ型
- ・単一平面上の角度変位を吸収できます。
- ・内圧による静的推力をヒンジピンで拘束する構造となっています。このため固定点には静的推力は負荷されません。
- ・単一平面上に2~4個組合せることにより、軸方向変位を吸収できます。
- ・組合せの数を増やしていくに連れて、より大きな変位が吸収できます。
- ・ジンバル形を混合して組合せることにより、軸方向変位のみではなく、全方向の軸直角方向変位の吸収が可能となります。
- ・高い内圧がかかる場合は、ベローズの変形を防止するために補強リングを使用します。
❻ジンバル型
- ・全方向の角度変位を吸収できます。
- ・内圧による静的推力をジンバルピンで拘束する構造となっています。このため固定点には静的推力は負荷されません。
- ・高い内圧がかかる場合は、ベローズの変形を防止するために補強リングを使用します。
❼ユニバーサル型
- ・基本形複式に軸方向伸び縮みを拘束するタイロッドボルトを装備した構造となっています。
このため固定点には静的推力が負荷されません。 - ・高い内圧がかかる場合は、ベローズの変形を防止するために補強リングを使用します。
❽非溶接型
- ・ベローズ端部をツバ形状に折返し、ベローズを溶接無しでフランジに取付ける構造となっています。
このため接液部は全てステンレスとなります。
❾直管圧力バランス型
- ・2個の変位ベローズの間に1個のバランスベローズを配置、連結させ、内圧による静的推力を伸縮継手内で相殺する構造となっています。このため固定点には静的推力が負荷されません。
- ・バランスベローズ外径が変位ベローズ外径の約1.4倍必要であり、伸縮継手全体の最外径が大きくなります。
- ・変位ベローズを複式とすれば、軸直角方向変位の吸収が可能となります。
- ・高い内圧がかかる場合は、ベローズの変形を防止するために補強リングを使用します。
❿曲管圧力バランス型
- ・曲管配管のエルボ部に変位ベローズを配置し、エルボの背後にバランスベローズを配置、連結させ、内圧による静的推力を伸縮継手内で相殺する構造となっています。このため固定点には静的推力が負荷されません。
- ・バランスベローズ部が配管系から飛出しています。
- ・変位ベローズを複式とすれば、軸直角方向変位の吸収が可能となります。
- ・高い内圧がかかる場合は、ベローズの変形を防止するために補強リングを使用します。
⓫角型
─ 排気ダクト用─
- アコーディオンコーナー
- ラウンドコーナー
- ガクブチコーナー
- ・角型ダクトに対応した断面形状であり、低圧気体の大流量に適しています。
- ・軸直角方向変位が大きい場合は、複式を使用します。
- ・内圧による静的推力が固定点に負荷されます。
- ・コーナー部は以上の3形状のものがあります。
⓬角型
─ 火力発電ボイラ用─
- ラウンドコーナー
- ・煙風道用として使用され、10mを超える大口径に対応できます。
- ・軸直角方向変位が大きい場合は、2台と中間ダクトを組合せた複式とします。
- ・外周に保温取付用金具を取付けています。