HOME>製品情報>伸縮継手の概要

製品情報

:伸縮継手の概要

伸縮継手の必要性

気体、液体など移送する配管系には、移送する媒体の温度変化による熱膨張が発生します。この熱膨張を配管系自身で吸収不可能な場合、座屈等で配管系を損傷させてしまう危険があります。
また、エンジン等の隣接する機器から伝達される振動の他、地震、地盤沈下等により配管系を損傷させてしまう危険があります。
これらの危険を未然に防止するために、使用用途に適した伸縮継手を配管系内に組み込む必要があります。

伸縮継手の性能特性

伸縮継手の伸縮性等の性能特性は、ベローズのピッチ、山高、板厚等のパラメーターにより変化します。

伸縮継手の性能特性

伸縮継手の性能特性

パラメーター軸方向軸直角方向耐圧性耐座屈性
伸縮性バネ反力推力伸縮性バネ反力
ピッチ→大→大→小関係無し→大→小関係無し→小
山高→大→大→小→大→大→小→小→小
板厚→大→小→大 →小→大→大→大
山数→大→大→小 →大→小関係無し→小
中間パイプ 長さ→大関係無し関係無し関係無し→大→小関係無し関係無し
口径→大関係無し→大→大→小→大関係無し→大

構造、並びに、ベローズのピッチ、山高、板厚および山数等を選定することにより、使用用途に適した性能を有する伸縮継手が可能となります。

伸縮継手の配管系特性

変位によるバネ反力 配管の熱膨張などによりベローズに変位が発生した場合、もとの長さに戻ろうとする方向に反力が発生します。
このバネ反力は、ベローズのバネ定数と変位量との積で計算されます。
内圧による推力
(内圧スラスト反力)
軸方向の伸びが拘束されていない自由状態のベローズに内圧を加えていくと、ベローズは軸方向に伸びていく性質があります。
この内圧推力は、ベローズ平均径面積と内圧との積で計算されます。
固定点に負荷される力 伸縮継手の上流側および下流側の配管に設置される固定点には、変位によるバネ反力と内圧推力との合計値が負荷されます。
よって、この値に対抗できる強度を備えた固定点が必要となります。
内圧に対する安全性限界 ベローズの内圧を徐々に上げていき、ある一定の内圧に達したときに軸芯の保持ができない非常に不安定な状態となります。
この場合、内圧力が横方向または回転方向に作用して、バックリング(座屈)を発生させることになります。
乱流による圧力降下 流体の流れがベローズ内面に直接触れる場合、流線は必ず乱流となり、内面のなめらかな直管と比較して、相当の圧力降下が生じます。
この圧力降下は、山数に比例し、かつ、流速の2乗に比例し大きくなります。
この圧力損失を最小限にするため内筒を装着させますが、内筒の要否は流体が液体か気体かの区分と流速により決定します。

配管系内に組み込まれた伸縮継手には配管系特性があり、この配管系特性を充分考慮した配管基本設計が必要となります。

伸縮継手の特性比較

種 類伸縮特性推力の発生長さ特性その他の特性
軸方向軸直角方向角度
自由型単式極小極小有り伸縮継手の基本形です。軸直角方向変位が大きい場合は、複式を使用します。この基本形は、内圧による推力が固定点に負荷されます。
複式極小有り中・長
外圧型単式極小極小有り外筒内面とベローズの外周との空間に流体の内圧が負荷される構造が特徴であり、高圧においてもベローズの座屈(バックリング)の危険性は有りません。外筒にドレン抜きを設けることにより、容易に液溜りを除去することが可能となります。
複式極小有り中・長
ヒンジ型単式××無し単一平面上の角度変位を吸収できます。内圧による推力をヒンジピンで拘束する構造となっています。このため固定点には推力は負荷されません。
Z形2点配置××無し単一平面上に2~4個組合わせることにより、軸方向変位を吸収できます。組合せの数を増やしていくに連れて、より大きな変位が吸収できます。ジンバル形を混合して組合せることにより、軸方向変位のみではなく、全方向の軸直角方向変位の吸収が可能となります。
L形3点配置××無し
U形4点配置××無し
ジンバル型単式××無し全方向の角度変位を吸収できます。内圧による推力をジンバルピンで拘束する構造となっています。このため固定点には推力が負荷されません。
ユニバーサル型複式××無し中・長基本形複式に軸方向伸び縮みを拘束するタイロッドボルトを装備した構造となっています。このため固定点には推力が負荷されません。
非溶接型単式極小×有りベローズ端部をツバ形状に折返し、ベローズを溶接無しでフランジに取付ける構造となっています。
このため接液部は全てステンレスとなります。
直管圧力バランス型複式極小×無し2個の変位ベローズの間に1個のバランスベローズを配置、連結させ、内圧による推力を伸縮継手内で相殺する構造となっています。固定点には推力が負荷されません。バランスベローズ外径が変位ベローズ外径の約1.4倍必要であり、伸縮継手全体の最外径が大きくなります。変位ベローズを複式とすれば、軸直角方向変位の吸収が可能となります。
単式×無し
曲管圧力バランス型複式極小×無し曲管配管のエルボ部に変位ベローズを配置し、エルボの背後にバランスベローズを配置、連結させ、内圧による推力を伸縮継手内で相殺する構造となっています。
このため固定点には推力が負荷されません。バランスベローズ部が配管系から飛出しています。変位ベローズを複式とすれば、軸直角方向変位の吸収が可能となります。
単式×無し
角型複式極小×有り角型ダクトに対応した断面形状であり、低圧の大流量に適しています。
軸直角方向変位が大きい場合は、複式を使用します。
内圧による推力が固定点に負荷されます。
単式×有り

伸縮継手の構造

伸縮継手の構造

1フランジ
パイプとパイプをボルト・ナットで締結することができる配管継手のこと。
流体の温度・圧力に合った材質・形状を選定する。
フランジ以外の配管継手も使用可能。
2袖管(パイプ)
流体を移送させるための配管材のこと。
流体の温度・圧力に合った材質・形状を選定する。
3ベローズ
伸縮継手の伸縮性等の性能に係る重要な部分。
流体の温度・圧力及び伸縮量等の用途に最適な材質・形状を選定する。(用途別の代表的な材質をベローズ材質表に示す。)
薄鋼板を円筒加工し、長手方向に溶接した素管を液圧成形法またはロール成形法で製作する。
4補強リング
内圧が高くなっていくにつれてベローズが変形していくのを防ぐための、外部から補強するリングのこと。
リングの要否はベローズの板厚、形状等と内圧から決定する。
5内筒
流体の圧力損失、乱流を防止するために取付ける。
この場合の要否はパイプ径、流体の状態及び流速により決定し、板厚はパイプ径と内筒長さにより決定する。他に、薄板であるベローズを流体による浸食・腐食から保護する役目も担える。
6制限フランジ
制限ボルトを取付けるフランジのこと。
7制限ボルト
過大な伸縮を制限し、ベローズを保護するボルトのこと。ユニバーサル型及び圧力バランス型で使用する場合は、内圧による推力を受け持つ役目をする。

ベローズ材質表

主な用途ベローズ材質
煙風道用ダクトSS400 SS400
煙風(対候性)用ダクトS-TEN1 COR-TEN
ガス、空気、オイルSUS304
高温(450℃以上)ガスSUS321 SUS316
高温(650℃以上)ガスSUS309S SUS310S
水、蒸気SUS316 SUS316L
石油類SUS304L SUS316 SUS316L
LNG等の極低温用 SUS304L SUS316 SUS316L
浸蝕性液体、ガス
高温(650℃以上)ガス
INCONEL625 HASTELLOY C276 NIM ONIC75

問い合わせフォーム